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画像と実物の色が違う? ネットで生地を買う難しさ
コロナ禍で手作りマスクやら在宅時間増加やらで、ハンドメイドをする方も増えたのではないでしょうか。
私もその一人です。気力がある時は布を切ってミシンに向かっています。
さて、皆さんは生地をどこで購入していますか?
今や100円ショップでもハンドメイド資材が豊富で、ハギレだけでなくファスナーやカバンテープ等の副資材も多々揃っていますから、自分用にたま~に…という方もハンドメイド作家さんも、100円ショップにはお世話になっていることと思います。
とは言え、手芸店の品揃えには遠く及びません。
いくつか作る内に、「もっとこういう色で作りたいな…」「こんな柄が欲しいな」といった気持ちが湧いてくる人は決して少なくないと思います。
近くに手芸店があれば良いのですが、そうもいかない場合も多いでしょうし、近くのお店には欲しい色・柄がなかった…ということもあるでしょう。
そうなると当然、ネットで探しますよね。
……が、そこでこんなレビューを目にしたことはないでしょうか?
画像よりも実物は色が暗い…
写真と実物の色が違う、ちゃんと写真を実物と同じ色にしてほしい
洋服でも同じようなレビューを見ることがあると思いますが、生地に関してはより多い印象です。
特に無地の物は、他の生地と合わせることが多いでしょうし、色に敏感になる気持ちはよくわかります。
今回は「なぜ商品画像と実物の色が違うと感じるのか?」という話です。
理由1:見ている機種の違い
パソコン(正確に言うとモニター)とスマホ、もしくはそれぞれ2種類以上持っている人ならわかると思います。
そもそも画面の色が違うんです。
詳しい人なら細かく調整して見え方を同じにできるでしょうが、「スマホはLINEと電話、あとちょっとネット見るくらい…」という人ではそんな器用なことはできないと思います。
ちなみに、私は今使っているスマホ(iPhone12 mini)と、もう回線は繋がっていないスマホ(iPhoneXR)を持っていますが、同じ設定にしているはずなのに画面の色が違っています。
iPhone同士ですら違うのに、Androidの様々な機種、様々なパソコン、それに加えて個々人の画面設定の違い、そして個々人の色彩感覚の違い……。
誰から見ても実物と同じに見えるようにしろ、という方がそもそも無茶な話なんです。
理由2:3原色の違い
皆さんはこんな図を見たことがあるでしょうか。
そして、家の中にこんな物はないでしょうか。
(エプソンであることに深い意味はないです)
プリンターのインクはまさに色の3原色……シアン、マゼンタ、イエロー、それらを全て混ぜたブラックというラインナップになっています。
ちなみにブラックのインクが切れている時に、3色を混ぜてブラックとして印刷するか? という選択肢が出てくることがあります。
(※全ての機種で出てくるかどうかはわかりません)
パソコンやスマホ等、画面で見る色は光の3原色で表現されています。
一方で、物体の色は色の3原色で構成されています。
子どもの頃に絵具を混ぜまくって、どんどん濁った色になった…という経験は誰しもあるのではないでしょうか?
要は、実物は色が混ざっていれば混ざっているほど黒寄りになるのです。
(すごく雑な表現)
でも画面上では光の3原色で表現される。つまりその黒さ・暗さが反映されにくい。
これが「画像よりも暗く感じる」理由なのでは? と考えています。
特に、実物を撮影した商品画像よりも、デジタルで色を再現した商品画像の方がよりそのように感じると思います。
あと、撮影環境の光の影響もありそうですね。物は光を吸収・反射するので……。
絵を描く知人がぼやいていた話なのですが、「パソコンで描いた絵を印刷すると思ったより黒っぽくなる」ということが起こるそうです。
これも画面上では光の3原色で表現されているのに、印刷する際は色の3原色のインクを使用し、減法混色で色を再現するから”思っていたより”黒っぽくなるのだと思われます。
(絵を描くソフト上でCMYB設定にすると緩和されるとか何とか)
あくまで推測ではありますが、「思ったより明るかった」というレビューよりも「思ったより暗かった」というレビューが目立つのはそういうことなのかなと。
とても鮮やかな色で「思ったより派手だった」というのは、単純に小さい画像で見ているのと実際に布を広げて見るのとではイメージが違うからな気もしますが……。
理由3:色の定義の違い
「ローズ」と言われて、どんな色を思い浮かべますか?
私はパーソナルカラーがブルベ夏なので、ローズピンクだったら青み寄りのピンクかな…と思います。
↑こんな感じ。
↑ちょっとビビッドすぎる気もするけどまぁ青みピンクではある。
でも、
↑これも薔薇色だし、
↑ローズはこれ。薔薇色とも微妙に違う。
まぁ確かによくある赤いバラってこんな感じかも……。
何が言いたいかと言うと。
特定の色名で思い浮かべる色は人それぞれなんですよね。
そりゃ「ベビーブルー」という色名で超ビビッドな濃い青色だったらオイオイとなりますけど、淡い水色系なら「お店の人にとってのベビーブルー」として受け入れるしかないんですよね。
後から色を増やす時に、苦し紛れに付ける色名もあるでしょうし。
「白って200色あんねん」じゃないですが、微妙に違う色にそれぞれ色名を付けている人もいれば、この辺の色は大体レッド~と雑に捉えている人もいる……というのも、思っていたのと違う! となる理由なのかなと。
その4:原料・製造の都合
「同じ生地を買ったのに前と色が違う!」という場合は、恐らくこの理由だと思います。
これは、買う側にとっては「そこはがんばってくれよ…」と言いたくなる部分ですが、別にメーカーもわざとやっているわけではないと思います。
あくまで素人の推測ですが、
- 染料の原料に変更があった(名前としては同じ原料でも質が違う等)
- 生地の質に変更があった
- 気温・湿度等によって染まり方が微妙に変わってしまう
- 複数の工場で生産している
- 製造する工場に変更があった
という理由がありそうだなと考えています(重ねて言いますが素人の推測です)
あと、一般的に男性よりも女性の方が色を細かく認識できるらしいのですが、とにかく人によって色の認識が異なり、管理している人には同じ色に見えている…という可能性もあると思います。あくまで可能性ですが。
素人がAとBのアイシャドウの色を似てる! と言っていてもイメージコンサルタントさんが見ると微妙に青みや黄みが違う…というように。
特に天然の物を使用している場合、同じ産地の原料を使用していても微妙に変わってしまうのは想像に難くありません。
もうそれは自然の気まぐれとしか言いようがないですね……。
ハンドメイド作家さんにとっては頭の痛い話かもしれませんが、ある程度は仕方のないことだと思います。
とは言え、企業努力すべき部分でもありますから、「ここのメーカーは同じ生地でも色の違いが大きいからやめよう」「あのメーカーは定番カラーの色が変わらないから買おう」というように選ぶのも、消費者の選択肢の一つです。
(※天然素材を売りにする場合は、天然素材であることを重視するか同一性を重視するかになると思います)
イメージと違っても返品は難しい
「チェック柄を頼んだのにドット柄が届いた!」というような場合であればさすがに正式な注文品と交換をしてもらえると思いますが、「思っていた色と違う」という理由での返品・交換はまず無理です。
写真を送れば…と思うかもしれませんが、クリムゾンレッドとエメラルドグリーンほどの極端な違いならともかく、微妙に色が暗いかどうかを撮影環境のわからない写真で判断することは難しいと思います。
そもそも、写真を撮る時に「肉眼で見ている色と違うな…?」となること、ないでしょうか?
そういったカメラの仕様、そして簡単に加工できることを考えたら、お店側にとっては「写真を送られても…」となっても仕方ないと思います。
強いて言うなら、以前の同じ商品と明らかに色が違う場合に、比較写真を添付して問い合わせる意味はあるかもしれませんが……その4の理由だと言われたらそれまでですね……。
対策:色見本やカットクロスセットを活用する
「思っていた色と違う」と感じるのは恐らく理由が複合的になっていて、どの理由であっても結局は「自分の基準を絶対と思うと失敗する確率が高くなる」という結論になってしまいます。
極端な話、本当に厳密に色を気にするなら、実際に自分の目で見るのが一番。それは服であっても生地であっても同じことです。
服等と違うのは、生地は「それだけ」の画像が多く、モデルさん等との比較ができず判断材料もそれしかないことでしょうか。
とは言え、実店舗が近くにない方も多いでしょうし、生地もたくさんの量になれば結構な重さになります。
同じ生地のカラーバリエーションを多数扱っているお店では生地サンプル(色見本)を用意してくれていることもあるので、色見本があれば先に購入して確認するのがベターかなと。
その4以外の理由であれば、色見本でおおよそ解決できると思います。
私もいろいろ持っています。
小さいからメール便で送ってもらえるけど、小さいがゆえに他の生地と合わせてもちょっとイメージしづらいのが難点。まぁそこは仕方ない。
↑こちらは生地サンプルを予め台紙に張ってくださっているお店!
しかも貼ってあるだけだと厚みがわかりにくいところ、1枚大きめの生地を付けてくださっているので触ってわかる! めっちゃありがたい!
↑こういったカットクロスは割高だけど、小物に使うこともできるし、大きさがあるから他の生地と合わせてイメージしやすいのも良いですね。
↑どれが何かわからなくならないようにメモしています(各色にも自分で色名を書きました)
こういったカットクロスやサンプルは、そのショップの中で「色見本」「カットクロス」「サンプル」といったワードで検索すると出てきます。
柄物のカットクロスも、リバティのような有名な柄だとあったりしますね。
そもそも生地はワンシーズンしか製造されないものも多く、柄物で「この生地が可愛いと思ったら廃盤だった!」という経験をした方は決して少なくないのではないでしょうか……と言うか私がそういう経験を何度もしています……(血涙)
無地のオックスやシーチングなんかは、各メーカーで定番として取り扱ってくれていますが、それでもちょっと変わった色は廃盤になったり期間限定だったりします。
「ハンドメイドは一点物」と言うように、生地との出会いも一期一会だと思ってハンドメイドを楽しみたいですね。
今回は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました!
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